大島正太の1日
最近寒くなった。人の家に泊めてもらわないと、もう夜を越せないほど。
僕には家がない。
天神新天町マック2階。店員に注意されないように窓際の席でうつらうつらと仮眠をとる。そのときにはじめて もうすぐ冬が来るんだよなあ、と他人事のようにおもった。
ゆっくり眠れない。飯が食えない。風呂に入れない。一日二日、一週間なら耐えられる。でもその生活に終わりが見えないと死にたくなる。自分が汚なくなっていることに気づくと本当にできるかは別として 割と人間はすぐ、死にたくなる。
テレビ番組じゃない。別に誰も四六時中僕など見ていない。なのに突飛な生活を選んで、自らボロボロになって過ごしている。人に見られることのない時間と時間の間。それが一番きつい。
でも選んだのは自分。なんでだったっけ。
” 全部をかけて音楽をやっています ”
そう言わないと必死さが必死さのまま伝わる自信がなかった。なかったんだよな。でもそうまでしてでも伝えたかった。おんなじくらい不器用なやつらの代表に勝手になりたかった。
真剣なだけでは笑われる。それでも人に文句を言われないほどに真っ直ぐに貫けば 大切な誰かを、いつまでも自信のつかない僕だとしても肯定してあげられると思ったのだ。
お前は間違ってないよ。
ただガムシャラで、誤解されやすいだけだ。
俺がずっと言って欲しかった言葉だ。
ただ俺が言って欲しかった言葉だ。
最初から誰かに言ってあげたかった言葉ではない。純粋な優しさなんかじゃない。そんな大層な人間になんかなれない。
それでも誰かのためになりたい。クソみたいな自分の音楽で。僕の思う 僕の決めた 僕の信じる”音楽”で。
あなたが自分をクソだと思うとき それをはるかに上回る俺の間違いで元気づけてやりたい。
俺を見ろって!俺は家もないぜって。
お前にはまだなんでもあるって。
もう一回やれるって。
別に金がただ欲しいんじゃない。勇気を持って欲しいんだ。俺になかったものを誰かに持って欲しいんだ。俺が持てなかったものを誰かに持ってて欲しいんだ。お前が持てなかったものは俺が持つから。お前が言えなかったことは俺が言うから。
真剣なやつの居場所がなくなるのは嫌なんだ。
だから先に、真剣な自分へ人から価値をかけてもらうんだ。
考えてみてくれ。
君が周りにできることを。君しかできないことを。絶対にある。それが君の役目だ。それさえわかれば別に俺に金なんか払わなくていい。君が人から金をかけてもらえ。期待してもらえ。
絵でも写真でも音楽でもみんなとおなじ仕事でもみんなと違う仕事でもむしろ仕事じゃなくても一人に向けてでも大勢に向けてでも有名でも無名でもすごくてもすごくなくてもなんだって変わらない。
変わらない筈だろ。
俺は大人になってもどうしてもずっとずっとずっとずっとずっと、今でもこの文章を書きながら泣いてる
期待してるんだ 絶対どうにかなるって